うのせ温泉 ゆの宿上越館
2006 3上旬平日 ¥15900 2人

建物の外観は最近ありがちな擬似古民家系というのか、「温故知新めいています」な印象かな。あ、別に印象が悪いって言っているのじゃないよ。落ち着いた色合いだし、こじんまりとした集落の景色に馴染んでて建物の存在が出しゃばってないから印象良いよ。ただ、こういう傾向の宿が増えてきているから「お!お!お!」という高揚感が喚起されないってだけね。(つーか、伊豆高原あたりこういう宿が金太郎飴的に異様に増殖してないか?)玄関から中に入ると、木の感触が目に柔らかい。焦げ茶色の和の世界で、上品で落ち着く。和服を着た女将さんが深々と頭を下げてのご挨拶のあと、自ら客室への案内と呈茶をしてくれるのは嬉しいね。和風旅館はこうじゃないとね。部屋は10畳一間だけど踏込みから洗面台のスペースに窓際の広縁どこもゆったりしているので広さは十分。洗面台には浴用とは別に洗面専用のフェイスタオル・カミソリ・綿棒・コットン・ヘチマ化粧水、タオル掛けはモダンなデザインでバスタオルもかけられるサイズ。広縁には姿見のあるスペースが区切ってある。部屋に備えてある「ごあんない」に書いてある館内の平面図を見ると、各部屋が鍵状に位置し覗き込みが全く出来ない造りになってるし、それぞれの部屋の境に内廊下や押し入れあり隣室と隔てるのは壁一枚という構造ではないから音が全く聞こえない。アメニティの充実ぶりもそうだけど部屋の中を探っていて「すげーな、ここんち」と感心せずにはいられないくらい隅々まで気が配られている。例えば広縁の椅子って向かい合うように配置されているのが普通でしょ?ここは、窓に向かって並列に配置していてそのあたりからも他の宿より一段踏み込んだ気配りを感じてしまうのだ。贅沢言えば館内にある花の幾つかが造花だったのは残念だけどホンコンフラワー然とした目立つものではなかったし、掃除が隅々にまで行き届いているから、本当はたいした問題ではないんだよな。だけど、部屋、パブリックスペース共々、個人的には完璧に近いから、造花は半紙に落ちている一粒の米のように気になってしまうのだ。うーん、でも、本来100点満点で120点は軽くいっているのが99点になってしまう感じがするから、やっぱり勿体ないよ。

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