この宿を一言で言うと「昔ながらのやりかた」という印象。ひと昔前の観光ブームの頃に新築したらしき建物だから収容人数優先の造りでこうなっているのかもしれんけど、水周りの設備の少なさが気になった。洗面所・トイレ付きの部屋は宿全体でわずか1-2室。だから殆どの部屋は洗面所・トイレを共同で利用することになる。それぞれの階には部屋が(多分)4−5室あるにもかかわらず、トイレは男女共用でたったの二つしかないし、洗面所もシンクが2つしかないのは少なすぎ。洗面は先客がいても時間をずらせばいいからたいして気にならないけど、トイレの設置数が・・・。設備は洗浄器つきの最新型で室内も改装間もないのと掃除が行き届いているからとても快適でその点の不満は無いんだけれど、”訪れ“を迎える人が集中しがちな朝の時間帯はしょっちゅう塞がっているもんだから、“待った無しの緊迫した状況”を腹に抱えて何度も出直したりしたのはキビシイものがあった。風呂のカランの数といい、水周りの設備は部屋数から照らし合わせるとどれも明らかにオーバーキャパただ、トイレは最新式でピカピカ、洗面所も蛇口を捻ればお湯がストレスなくすぐに出てくるのは、快適に使えるようにとの宿の出来る限りの心遣いの表れだと思う風呂にしても、遠く斑尾まで見渡せる立地を利用して屋上に露天風呂があればすごいセールスポイントになるのになぁとか、工事費なんて考えがアタマに全然浮かばない素人は、気軽に考えちゃうけど、水周りのことだから配管云々の問題で簡単に改造できないんだろうね、多分。その他にも備品の歯ブラシは歯磨き粉が既に付いていて1回しか使えないものだったり、朝食を終えて部屋に戻ると布団は片付けられているのにお茶のセットが前日のままで換えられていなかったりとか、大昔ならそんなの当たり前で気にはならなかったけど、今の時代の感覚に照らし合わせると「どうにもな〜」って感じずにいられないところも見受けられたりして、なんか悲しい・・・。

宿の人の対応は、皆さん営業スマイルとは無縁の飾り気のない素朴な暖かさが伝わってきてとてもいい。そのなかでも女将さんは誠実で控え目で優しいお母さんのような人柄が魅力的な方だと感じた。しかし実際問題として、食事の開始時間は宿が一方的に決めてしまうのに、指定してきた夕食開始の時間が過ぎてもなんの連絡もなしにただ漠然と部屋で一時間以上も待たされたり(支度が出来たよコールの時に「お待たせしました」の一言はあったけど)、夕食のときにビールの追加を頼もうと調理場に行っても誰もいなくて注文を諦めたり(多分、総出で布団を敷いていたのかなぁ)、それ以外にも帳場にいつ行っても誰もいないからその都度、人を探さなくてはならなくて大変で、なにか用があっても、まず人を見つけることかやらなくてはならず簡単に物事を頼めないのは本当に不便。夕食後に従業員といっしょに皿洗いをして働いている女将さんの姿を見ていると、いい加減な気持ちは全くなく、すごく一生懸命世話してくれているんだとは分かるんだけど、人手が少なすぎるうえに何事においても効率が悪すぎるような気がするんだよな例えるなら一番重いギアの自転車を漕いで坂道を登っているような感じかも。客室数が似たような規模の満山荘が布団を予め敷いているような、自分たちの宿に合った上手な方法を作り上げれば、人手が少なくても対応に関する不満はほぼ解消できるような気がする。人が一生懸命に頑張っている姿はとても尊いと思う。なのに効率悪く空回りしている姿は傍で見てても無念でもどかしくて仕方がないのでした

でも、妙高って魅力的な宿が少ないから、このエリアで泊まるなら素朴で暖かい魅力があるこの宿はオススメできるけれどね♪
上の画像は両方とも笹ヶ峰
 

ホンネ:決して悪い宿ではないけど、内容と料金を照らし合わせると、微妙に割高な感じがして、ちょっと納得いかないかな。燕温泉に泊まるなら是非また泊まりたいけれど、現状のままだとわざわざ泊まりに行く気にはならないかも(^^(^^;;


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