新潟県燕温泉 樺太館 その1
2004 10月中旬平日 ¥12650 2人 客室・妙高





カーソルを当てると部屋からの眺めになります




カーソルを当てると玄関内画像に

燕温泉、実は小学校三年生の夏休みに岩戸屋という宿に泊まったことがあって、宿の窓から見える電線にツバメが沢山止っていたのを覚えている。勾配のキツい坂を挟んで十軒に満たない宿と土産物屋が肩を寄せ合うようにして並んでいるのが全てで、気持ちいい欠伸がすぅっと出てきそうな長閑な雰囲気はその頃からあまり変わっていなくて、なんかね〜懐かしかったなぁ。小学校三年生というと八歳か、逆算して数えるとあれから十年くらいしか経っていないのだもの、温泉街の雰囲気がそんな大きく変わる訳ないよな(・・・いえ、見栄張ってウソついていました(^^;ホントは三十年くらい経っています<(_ _)> モウシワケアリマセン)
樺太館はそんな温泉街の入り口に位置していて、外観は山荘?ヒュッテ?っていうのか?まあ、そういう系に似せてある、もっさりモルタル三階建てで結構年期が入ってんなぁと思ったけれど、一歩中に入ると玄関や食事処は古民家の梁や民芸調の照明器具を使った和風の雰囲気作りがしてあって、なかなかに好印象。雰囲気を出そうとしている宿の気遣いは、嬉しいね。なにより中に入ってしまえば外観なんて見えないんだから、さほど拘ることはないんだよな。しかし、泊まった客室のある二階は、ちょっと素っ気なく古びていたりして、う〜ん、ある意味で昭和テイストって感じかなぁ。(あ!鄙びているだ!!そうそう!!!こういう便利な言葉があったんだっけな)
通された客室はトイレ無の十畳間で少し不便だけれど、自分の歩幅で十五歩以内の距離に新しくてキレイなトイレがあるから気にする問題ではなかったね。室内も壁に照明に天井や襖も改装して新しくなっているからキレイで気持ちいい。ただ、二間ある広い床の間が、掛け軸+キラ☆キラ☆な陶製の獅子+でっかい一枚板の置物を所狭しと置いてあるのは、その作品の価値が分からない自分は賑やか過ぎてどうにもって気がするね。だってさ、その陳列物群が中央にで〜んと居座っているおかげで、滞在中に必ず使う電話、TV、ポットが部屋の隅に追いやられているのは、とても不便だもの。ポットは沸かせる新型。なのにTVはガチャガチャと手でダイヤルを回す旧旧旧式で懐かしいタイプ、ここんちは恐らく壊れるまで大事に使って壊れて交換するときにいい物に変えていってるんだろうな。スイッチのONOFFも音量もTVまで這い這いして調節しに行くのは億劫だけれど、物を大事に使っているんだなぁと考えると、なんか嬉しくて許せてしまうから不思議だ、この感覚は歳とってきたからなのもなぁ。掃除が行き届いているので気持ちいいし、部屋からは遠く斑尾の山並みが見えて眺めがいいので、窓辺にもたれて景色をボーっと見ていると、何とも気持ちが和んでしまったりしてさ、特盛り調度品とかの問題は幾つかあるけれど、寛げてしまったのだから、要は自分はこの部屋が気に入って好きになったんだよね。


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