福島県玉梨温泉恵比寿屋
2006 上旬 \12000 1人

川に面して建つこの宿、この辺りでは一番立派なのではと思える鉄筋四階建てで玄関は3階にある。自動の扉から中に入るとフロントがある。外観は素っ気ないのにフロントのカウンターの上はダルマの置物に販売物で積まれた秘湯の会の本と印刷物の束、おまけにプリンターまで鎮座して、ゴチャゴチャとまあ、すっげー賑々しい。加えて足下にはマガジンラックが四つもあって邪魔。まず、空のマガジンラックを置いておく必要はないでしょうに。他のマガジンラックの中は、電話帳(これは公衆電話の脇にあるほうがありがたい)、時刻表に観光パンフレットに旅本(これはじっくり読んで情報を探したいからロビーにあるほうが嬉しい)、宿を訪れた芸能人サイン色紙を挟んだファイルケース(これは要らんだろぉ、つうか宿泊客の何の役に立つの?)フロントに置いておく必要性の乏しい物ばかり。これらがあるおかげで宿帳の記入が辛うじて出来るスペースしかないのは、なんだかなぁ。それ以外に床には殺虫剤のスプレー缶と宿の人の私物であろう充電中の携帯(^^;もしかしてフロントの奧を大掃除中で一時的にカウンターの上がこんなにスゴイ状態だったとかか?理由は何であれ、フロントは客を迎え入れる場所で物置の代りじゃないぞ。

フロントの先にロビーがあり、ここは川に面して大きなガラス窓が開けていて開放感を感じる場所のはずなのだけど窓ガラスが良く絞っていない雑巾で拭いて放置した風に白く汚れていて川の流れは清らかなのにそれが濁って見えるのも勿体ないな〜。以前は飲物を出していたであろうカウンターの上と周辺も色々な物が雑然と積まれていて物置状態。カラオケセットがど〜んと置いてある以外は花も何もなく、なんだか廃業寸前の寂れたカラオケスナックみたい。整理整頓してキチンとすれば清々しく心地よい場所になるのにね・・。他にも、自由に使えるPCがあって有難いけれど公衆電話と同じ場所にあるので、どちらかを利用する人がいるともう一方は使えないとか、使う人の立場に立って物を設置してくれると、より便利に使えるし、親切な宿の印象を持ってもらえるだろうに。部屋は4階の出雲という部屋。ドアを開けると半畳の踏込み、右に洗面台、左にトイレがある。部屋は台形の変則6畳で実質は5畳くらいかな。一人旅だと広すぎず狭すぎずで丁度いい広さ。窓の外は渓流と向こう岸の民家と橋を見下ろす長閑な眺めでなかなかに良い。なのに広縁のソファーを窓を背にして置いているのは甚だ疑問だ。だって、小さいソファーに二人並んで座る人(しかも部屋の中を見ながら)なんてそうそういないでしょう?部屋の定員が二人だからといってソファーを無理に二脚置かなくてもいいような気がする。眺めているだけで心が和むような景色なんだから広縁の椅子は窓に向けて一脚置けば十分では?通されたときに座卓がすでに障子に寄せてあるのは何故だ?夜、布団が敷きやすいから?もしその理由だったら最初から布団を敷いておいてくれればいいのに。部屋の隅に追いやられている席に座っていると、厄介者扱いをされているみたいな気分になってとても侘びしいよ。部屋の洗面台とトイレは清潔で、TV台の下でも埃が積もっていることはなかったから掃除はしているはずなんだけれど、畳に寝転がってウダウダしていたら長い髪の毛+その他が落ちているのが見つかったのは何故なんだ。トイレの水栓が閉まらなくて使用後に水が流れっぱなしでその音がかすかに聞こえ続けるものだから気になりだすとストレスの種になった。フロントに電話してそのことを伝えると若女将さん?が来て「この部屋のトイレ、時々こうなるんですよ〜。こうやると閉まるんです」とにこやかに言ってタンクの蓋を開け、指でボールタップをクイッと上げて水栓の閉め方を教えて出て行った。で、あぁ水栓が閉まらなかったのはタマタマだったのねと思ったら大間違い。使う度にタンクの蓋を開けて水栓を閉める羽目に。時々じゃなくて毎回じゃん・・・嘘つき。タンクの中にビールビンを沈めてやりくり主婦の節約術めいたことをやるのもいいけれど水栓をきちんと修理した方がよほど節約になるぞ、ったく。正直、居れば居るほど点検の目の行き届いていなさが露呈してきて、ウワと思うような不潔さや不愉快な対応はないけれど、滞在中に寛げた気持ちには殆どなれなかった。

風呂篇 料理篇 余計な一言