いい湯でした

風呂は大浴場がなくて、四箇所ある内湯をそれぞれ貸切で利用する形式。利用時間は夜は11時までで朝は6時からと制限があるのはちょっと悲しい。「そんなの関係ないもんね〜。うししし夜中コッソリ入っちゃおう」と悪しき考えを持っても、浴室のある建物は別棟で入り口に鍵をかけちゃうから絶対に入れないんだよね、あはは残念。風呂のある建物は客室と違って古っーい木造で侘び寂の塊のように思いっきり鄙びている。設備なんて木の脱衣棚がある以外なにもないし、浴室にカランはあるけれど、シャワーはない。固形石鹸とシャンプーしかないからキツイと感じる人もいるかもしれないな。湯口のチョポチョポとお湯の注がれる音を聞き窓の外の木々の緑を見ながら湯に浸かっていると心の角がとれて「もう何にもいらないや」なんて丸い気分になってくる。仄かな濁りのある鉄臭いぬるい湯で細かくて赤い湯花がホワホワと少量、そして体に炭酸ガスの泡が纏わり付く。見た感じはそれほどでもないかなぁと思えるんだけれど、結構な湯力があるんだな。その証拠に床や湯船の縁の析出物が強烈で、湯に浸かりながら湯の成分が作り出した床の模様を見ていると宇宙船から未知の惑星の地表を俯瞰しているような気分になったりして。

四箇所の浴室はそれぞれに造りと大きさが違っていて、宿の人の話では「全部同じ温泉」とのことだけど、実際にそれぞれの浴槽を入り比べてみるとビミョーに違うんだな、これが。手前から二番目の浴槽はあっと言う間に体が泡まみれになって(ウワ、チョット エッチッポイ イイカタカモ)一番“濃い”感じがする。逆に泡がほとんど付かない四番目の浴槽が一番淡白に感じた。まあ、そんなコト言っても、その差は微小で、どこも似たり寄ったりな気もするけれどネ。お湯はWEBで絶賛されているのに違わずほんっとスバラシイ。設備面だって秘湯の宿なんだと思えば文句も言う気にはならない。でも!でも!!洗面器と腰掛が温泉の成分が付着してマダラ模様になっているのは、イヤのだよ〜。だって、指で軽く擦るとあっさり落ちるんだもの。これって全然洗っていないってことでしょう?体を洗うのに必要な物はピカピカにキレイでないと、やっぱ気持悪い(ええ、軟弱者です)。う〜ん、脱衣所は埃やゴミひとつ落ちていないほど掃除がしてあるのに何故なんだろうなぁ。自分的にはこれが唯一の欠点かな。

                                  この注意書きスゴすぎでしょう→


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