■清潔で気持ちいい風呂

風呂は建物の一番奥にある。最後の階段がちと急で一段降りる度にビニール材の床でスリッパの底がペッタンペッタンと鳴ってしまうのは、なんか鄙びだなぁ。階段を下りきると正面は露天風呂へ向かう扉、左手に内風呂の入り口。つまり内風呂から露天へは直行できない。メンドウクサイな。やろうと思えばタオルで前を隠して裸のままダッシュ!・・・うーん、ストリーキンガーのようなよほどの猛者でないかぎりやっぱり無理だな。内風呂の脱衣所は六畳くらいの広さ。懐かしい形状の洗面台が一つ、オレンジ色のプラスチックコップがイイ味出してるな。脱衣を入れる棚がホームセンターで売っている組み立て式の多段収納ボックスを二つ並べたものなのは初めて見た。それぞれに戸が付いているのはいいのだけど、スペースがいかんせん小さくて浴衣と丹前を入れるともうキチキチで、日帰りの客は棚を二カ所使っても荷物が入りきれないだろう。宿で荷物を預かってくれるのかな?どうなんだろう?まあいいや。浴室は洗い場も湯船もタイル貼りでなんか下町の銭湯っぽくて個人的にはすっごく和めて寛げた。湯船は三畳、洗い場は六畳くらいで、宿の規模から考えると十分な大きさだと思う。男女の仕切りの壁に「白い鳩に導かれ、岩から湧き出す不思議な水を発見云々」という名前の由来の看板が貼ってあって、全部読むと丁度良い具合に身体が暖まった。お湯は循環であまり温泉という感じは受けなかったけど、湯加減が絶妙に良く、由来にちなんで鳩の像が見守る岩から湯が注がれる湯口の造りがなんとも可愛いし、とにかくとても清潔で気持ちよかった。湯船のお湯は循環なのにカランから出てくるのは加温された源泉そのままのお湯。硫黄の匂い、石鹸分が落ちているのか分からなくなるほど肌がヌルスベになって、手付かずのままの温泉に触れられるのは嬉しいね。

露天は造りが違うので翌朝に男女が入れ替えになる。画像で見ると小さそうに見えるけれど実は5〜6人はラクに入れるほど大きい。夜は11時まで、朝は7時からで夜中は入れないけど建物からはちょっと離れていて夜中に一人で入る気にはならないから残念な気はしないな、源泉カランのある内風呂は一晩中は入れるしね。景色はやたらモサモサした印象の杉の森が見えるだけで眺めはたいしたことないけれど人工物はあまり視界に入らないから山の温泉にきたな〜と感じられるからイイ雰囲気があると思う。贅沢言えばお湯が循環なのは惜しいけれど湧出量が少ないから仕方ないんだろうな。

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