長野県毒沢温泉 神乃湯
2005 9月中旬休前日 ¥12000 1人


十年くらい前の大昔、旅行雑誌で毒沢鉱泉を名前で損している温泉と取り上げている記事があって、掲載されていた風呂の写真は思いっ切り鄙びているし、なにより名前に毒=POISONなんておどろおどろしい文字が入っていて「こんな魔境(失礼!そうイメージしてしまったのよ)、自分はとても行けないだろうなぁ」と思った記憶があった。2005年9月に奥飛騨と信州方面へ旅行に行く計画を立て、土曜日に一人でも泊まれる温泉宿を探していて、神乃湯は割と安い料金で一人旅でも泊まれるし、最近リニューアルしたばかりという情報もネットで得たので泊まることにした。諏訪の市街から山道を登り最後は心臓どころか全ての内蔵が破裂しそうなほど傾斜のきつくなる坂道の終点に神乃湯はある。杉の森に囲まれた建物は山の宿の趣があってよい感じ。館内に入ると焦茶の柱や梁は流行の古民家風。土間には薪の積まれた暖炉、たいてい応接セットが置かれているロビーのスペースにはサザエさんに出てきそうな丸い卓袱台が並んでいてちょっとカワイイ、和洋が混在しているのに雰囲気が妙にしっくりときていて面白かった。でも、ロビーの奧に立派な神棚と神様の像が祀られているのはなんか独特。別の場所には仏様も奉られている。このテのものが苦手な人は結構厳しい印象を受けるだろうな。一階の床は畳敷きで二階の床はカーペット敷きなのでスリッパを履かないのは足が楽でありがたい。通されたのはトイレ無しの6畳の部屋。部屋に案内されると「お茶を飲むなら給湯室に行ってセルフでポットにお湯を入れてきてください。」「布団は自分で敷いてください。朝は畳まなくて結構です」と言われた。宿の人がやたら部屋に出入りすることがないのはイイと思うけれど、宿に着いたら先ずお茶を飲んで一休みしたいのに給湯室までわざわざお湯を汲みに行かされるのは、こちらの気持ち考えずに客任せにし過ぎで良くないぞ。泊まった9月中旬は夏の盛りを過ぎたとはいえ、まだまだ日中は暑いのにエアコンどころか扇風機もなく備えてあるのは団扇だけなのは夜になって涼しくなるまで辛かったな。廊下を人が歩く度にまるで鼓笛隊が行進練習をしているのでは?と思うほどに音と振動が響く、基本的に古い建物なので仕方ないんだろうから我慢。でも、なにより掃除が隅々まできちんとしてあるのは気持ちよいから、いいかぁ。

風呂篇 料理篇 余計な一言