旅行に行く前は必ず、自分が泊まる宿までの道のりはどんなふうだろうと地図を見るんだけれど、今回の目的地は山ン中ってゆうのは分かるものの、地形から推測するに富士山が見えるってわけでもなさそうだし、なんちゅうか、こう、静岡県なのに富士山見えないの?ふ〜ん、梅が島温泉郷ねぇ・・・という程度の認識しかなかったのだ。ましてや、コンヤ温泉なんて存在すら知らなかったもんな。どうせ日向くさくて冴えないロケーションだと勝手に決め込んで、今回の目的は宿なんだから、ここまで細かく求めたらキリが無いないよなぁと期待はしていなかった。
でも、安倍川の蛇行に沿ってだんだん山の中に入ってゆくと小さな集落が点在していて、その景色は観光地然としてなくてなんかいい。
夏休みにジイさんバアさんちに遊びに行って、昼は蝉取りしたり川遊びした後でヒマワリや真っ赤なサルビアが庭先で咲いている農家の長い板張りの縁側に腰掛けて、足をブラブラさせながら井戸水で冷やしたスイカにかぶり付いたりプラッシー飲んだりして、夜は蚊帳の吊ってある布団でうつ伏せに寝転がって絵日記書いている小学生の自分の姿を想像してしまったりしてね・・。
ウ〜ン、自分にもこんな田舎があったらいいなぁなんて思ってしまったよ。最近、こういう何気ない景色のほうが胸を打つんだよな。
目的の宿は川沿いのメイン通りから脇道に入った場所にある。建物も入り口も小奇麗な民家風で看板がなければ宿屋さんとは分からないかも。中に入っても、ロビーも帳場もないうえに部屋数は3室しかないし廊下や階段も狭いので普通の家にお邪魔しているような感覚になる。泊まったのは「桜」と名が付いている一番奥にある部屋で、ドアを開けるとスリッパを脱ぐスペースにいきなり洋服タンスの扉が目に入る。で、仕切りの障子はなく部屋の中になるのだけれど部屋食じゃないし予め布団も敷いてあるから(コレ、個人的には有難いのよ。着いて直ぐに横になれるから♪)、あぁだこ〜だと宿の人が入ってくることはまず無いだろうから問題はないかな。浴衣の入っている籠と大きな切り株をスライスして作ったお膳にお茶セットと14型のTVが乗っかっている以外には金庫も冷蔵庫もないのは不便だよな。掃除は出来ているから不快になる要素は全くないだけに惜しい気がする。あ、あと、トイレと洗面所は部屋毎に付いているんだけれど、踏み込みをはさんでとかではなく室内にドアがいきなりある造りは初めてみたので、ちょっと驚いてしまった。まあ、いたす行動の内容によっては音とかニオイとか気になるかもしれんなぁ。あ、これはキツイぞ(^^;
ここは川よりも一段高い場所になるんだけれど斜面に杉の林があるせいで水の流れが見えないのが残念かな。
でも、窓を開け放つと鳥の声と木々の薫りが届くのでなんともイイかんじ。
ここまで四の五の好き放題言っているけれど、要は気に入ったということですワ。
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