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■呑兵衛の楽園、あるいは左党養成所か


カーソルを当ててみて



食事は中央に囲炉裏(夏だったから簾を敷いてあった)のある食事処で食べる。20畳以上はある板敷きの間は、3方向が一枚の大きなガラスなので開放感があるし、MAXでも3組しか客がいないわけだから、どんなに混んでいても窮屈な感じは受けないと思う。そして窓のない一方向には日本酒や焼酎の一升瓶と甕がズラズラズラーっと「これでもか」というくらい沢山置いてある、冷酒をストックしておく大型クーラーの窓から並んで見えるやつも合わせてどのくらいの種類の銘柄があるのか数えてみたのだけれど30銘柄を超えた辺りで数えるのが面倒になったので止めてしまった。普通の旅館は多くても5〜6種類でしょう?ここんちの酒の品揃えの豊富さはケタ違い。凄すぎだよ酒屋の営む宿。左党だったら目移りしてどれを注文したらいいのかいつまでも決められないかもしれないだろうな。で、迷ったときは利き酒三点セットを注文するといい。宿の人が、自分の好みに合わせた酒を選んでくれて、その銘柄の説明もしてくれるから、飲んでそれぞれの甘口辛口みたいな味の違いなんかを比べてみると日本酒の奥深さとかが少し分かったようで楽しいぞ。

夕食スライドショー
前菜:左上から時計回りに
 トウモロコシのかき揚げ・茹でた里芋・鯵の棒鮨・干瓢と山葵漬ののり巻
砂肝の南蛮・茗荷の握り・瓜の胡麻和え・枝豆


ここは酒屋の主人が経営している宿。当然、料理は見事なくらい酒に合うものばかり!今まで酒を美味しいと感じたことがなかったのに、ここの料理と一緒に酒を呑むと「んまいナァ・・・、ふぅ〜」と、こう、なんと言うか、それぞれの滋味が五臓六腑にジワ〜っと染み渡るのが実感できて シ ア ワ セ な気分になれたのだ。後から出来立ての皿を一品ずつ出してくれるから「この料理には辛口のほうが合うなぁ」とか「あ、酒を飲みながらだと食材の持つ味わいにもっと広がりが出てくるんだ〜」とか色々と比べられるので、食事がホント楽しかったよ。欲を言えば刺身と焼き魚が両方とも山女というのはつまらないかな。山の中っていっても清水や焼津の港が近いのだからどちらかに海の魚を出してくれると更に満足度がアップすると思うのだけれど、それは贅沢ってモンかもしれんなぁ (^^ゞ


朝食画像3枚スライドショー
これ以外に黍入り御飯と味噌汁と最後にコーヒーが出ました

朝は飲みすぎを想定して(笑)粥が出てくる。薬味が何種類もあるので最後まで飽きずに食べられるのは良かったなぁ。おかずも色々あって、肉ジャガならぬ肉カボチャと薄味で炊いた冬瓜の味が印象深かった。最後に淹れたてのコーヒーを出してくれるのも気が利いていてポイント高いね

全品手作りでとても美味しいのに夕朝とも量が多くて食べ残してしまったことが本当に申し訳なく心苦しい気持ちになってしまう。出来れば全体量を少し減らして極上の刺身なんて出してくれたら嬉しいんだけれどネ。

最後に誤解されると悲しいので言っておきたいのだけど、酒と一緒に料理を食べると相乗効果で更に奥にある楽園への扉が開かれるのだけれど、どの料理も味付け自体がとてもいいので下戸の人でも食事の満足度はかなりのものだと思うよ。一度泊まって食べてみて!