泊まって感じたのは、この宿全体が女将の創りあげた一つの作品だということ。カリスマ主婦栗原はるみも裸足で逃げ出しかねないほどのレベル、ってか問題外なくらいに館内の隅々、階段の下のデッドスペースのような空間にまで演出を怠らない気遣いがされている。すごいよ、ここ。館内から外への視線の先には寂れた町並みしか見えなくて、そんなの見ていても侘びしくなるだけだから、客の視線を館内に向けさせようという工夫なのかも。う〜んと、なんという言葉で例えればいんだろ・・・。趣味がよいかなぁ?それもそうなんだけど・・・。あ、格調高いだ!それでいて堅苦しくないから心から寛げるんだろう。そんな女将の気配りは夕食時のお絞りに添えられた花の蕾や朝食時の一輪挿し、丁子染めの足袋、夜食用?のお菓子、などなど、本当に細やかで、衝撃を受けるほどだった。従業員の人たちも、当然のように自然体で礼儀正しく笑顔での対応で、チェックアウトの時もキチンとお見送りをしてくれ、最後まで気持ちよく過ごすことが出来た。正直、ロケーション以外は欠点がほぼない宿だと断言できるぞ。あ〜、また行きたいなぁ。

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