■物凄く満足度が高いぞよ
食事は夕も朝も部屋で。別個室で食べている人もいたけれど、その辺りの違いは分からない。いずれにせよ大広間で“みんなといっしょ♪”ということはないみたい。おかげで他人の目を気にすることなく写真撮り放題だったから、ホントありがたかった。夕食は最初に何品か並べられていて、その後は一品ずつ出してくれる。チェックインから館内の調度の素晴らしさにずーっと感心していたのだけれども、簡素ながらも名前入りのお品書き、おしぼりには野の花が添えられていて、食事でも女将の気配りが行き届いていて、またまた感激。基本的にはありがちな旅館料理の部類に入るだろうけど、前菜から始まるどの料理も盛り付けや彩りがきれいで見ていて楽しくなるのだ。お造りは青い花の蕾がアクセントに美しく、霜が降りるほどに冷やされたガラス皿の底に細かく砕いた氷が敷いてあっていつまでも生温くならないで食べられるような気遣いがある。揚げ物は温かいのではなく熱いほどに出来たてが運ばれてくる、枡に懐紙を敷いた盛り付けも個性的で、食べ進んでゆくと底にはアーモンドを衣に使った変り揚げが隠れていて、ささやかな演出に感心。こういうのってなんか嬉しいんだよな。しゃぶしゃぶの但馬牛も柔らかくて肉を追加したいと思うほどに良い肉が使われているし、胡麻豆腐も濃厚な味でまじウマ。どの料理も味が濃すぎず薄すぎずの良い塩梅で、苦手な食材もあっさり食べてしまえるほどに個人的には一品もハズレなしだった、すごいよここんち。ただなー、料理の運ばれてくるペースがゆっくりめで、次の料理が出てくるまで20分くらい待たされたのは、ちと残念かなぁ。でも、散々待たされたのに出てきた料理はなぜか冷め切っているようなことはなく、出来たての温かい料理が食べられたのだからさほどの不満ではないのだ。次が来るまで時間的余裕があるからに焦らず写真撮れたしネ(笑。朝食は一気出しだけど野の花の一輪挿しが添えられ、ここにも女将の気配りがされていて気持ちがほのぼのしてくる。出された焼魚は温かく、リンゴジュースも添えられていて内容的にも満足。但馬牛のしゃぶしゃぶ、い貝の土瓶蒸し、お造りの甘海老、アラの西京味噌焼、朝食のとうふちくわ、その土地ならではの食材が食べられるし、同じ価格帯の宿でここまで気を配っている宿ってそうそうないよな。夕も朝も食後にシアワセ感で心が一杯になる料理でした。自分は関東人なので、米どころというと新潟、宮城、福島くらいしか思いつかないのだけれど、ここのうちの御飯は、ひげの家/高湯温泉に次いで二番目くらいにんまかった。仲居さんに訊いたら農家と契約して(米を)作ってもらっていますとのこと、鳥取の米って美味しいんだね。 |