山形県白布温泉 西屋旅館

        2001年5月平日¥13500

■第一印象は




上と下の画像にカーソルをあててね
白布に来たのは何回目だろうか
バスから降りると三軒連なる茅葺きの宿の
馴染んだ風情は消えていた
東屋は再建工事の最中で、中屋の跡は
焼けたままに放置されたままになっていた。
あの景色が大好きだったから
もう出会えないんだと思うと
今の光景はとても痛々しい。

今回の宿は西屋旅館。
ここは2000年3月に起きた火災から
難を逃れた唯一の宿。

茅葺き屋根というのはいいねぇ。
こういう建物を見ると「ふるさとを思わせる」
みたいに言うのが普通なんだろうけど
そんなの安易だから使わないよ。
そもそも自分の身近な場所に
こういう建物はなかったから
懐かしいという感情は涌かないんだもの
なのにさ、なんとも心惹かれるんだよなぁ。
よく手入れの行き届いている館内も
色合いやら照明とかの
加減がよくてなんともいい雰囲気。
各所に活けられている生花(おそらく草月流か?)も
この宿の趣を一層味わい深いものにしているよ。
インの後、一息ついて色んな所を見学していて
気付いたんだけれどね、
ほとんどの窓がサッシじゃないんだ。
木枠なんだよ。些細なことなんだけれども、
だからこそ建物全体の雰囲気に
統一感があるのかもしれんなぁ。
通された部屋は6畳間。二人じゃ狭いが
一人の時はこのくらいの広さが丁度いいよ
落ち着く。
たまに12畳+次の間付なんて部屋に通されると
落ち着かんのよ、普段狭い部屋で寝ているから。
窓の眺めは新館への渡り廊下がでーんと見えて
イマイチだが、下を沢水が流れる水路が通っていて
せせらぎが心地よかったよ。
夜には河鹿の声もちらほらと…。
結構いいんでないかいこういう風情もね。


















上はスライドショーです(^o^)ノ
■御飯まだかな
今回は連泊だったんだ。
初日は郷土料理。
刺身には濡れナプキンが掛けられていて
気も配っているみたいだし、
実際美味しかったんだけれど
特に「これわぁぁ〜、んまぁ〜い!」
というものはなかったかな。
二日目の夜は味噌ダレが珍しい
米沢牛のスキヤキ。
一口食べれば「お〜っ、やぁらけぇ♪」
肉も野菜も量はたっぷりあって
満足満腹だったぜぇ♪
宿泊予約の時に郷土料理かスキヤキか
選べるみたいだよ。
朝はね、最後の日よりも前日の方が
品数も多かったし良かったかな?
自分的にはちょっと落差が感じられて残念だった。
あくまでも自分的な印象だがね。

上下ともカーソルをあてると
二泊目の料理に変わります。
■さて、風呂ですね
風呂は白布温泉の名物湯滝が三本、
ダッダッダダダーと勢いよく浴槽に湯が落ちてゆく。
260年前に造られたという浴槽自体は
6畳位の大きさしかないんだけど
源泉掛け流しで、どんどん溢れている。
たとえるなら、そうですなぁ、
自分ちの風呂で蛇口を全開にしたまま
溢れさせたことってない?
そんなかんじだよ。いいねぇ、贅沢だねぇ、
温泉宿の風呂はこうでなくっちゃね。
まさに理想形でありましょう。
しかし驚いたのはその造り。
焼失してしまった東屋、中屋、の風呂と
広さといい三軒全く同じなんだ。
実は東屋のリピーターである自分は
浴室に入った瞬間「ああ、同じ造りだ」と
すごく嬉しかったんだ。
極端な癖はないのにしっかり温泉を実感
させてくれる白布の湯は本当に素晴らしいよなぁ。
湯上りの熱の抜けかたの絶妙さといったら!
滞在中ずーっと入っていたくなるような心地よさ、
うーむ最高よのう。
他に家族風呂もあったよ。


















こちらもスライドョーにしました

■泊まってみて思うこと
従業員も気取りのない笑顔でよかったよ。
女将さんに伺ったら白布の火災は
今回で三回目なのだそう。
一軒火が出れば三軒燃える。
だからその時は覚悟しておきなさいと
大姑さんから教えられたんだって
なのに今回は自分の所だけ焼け残って、
最初は気味悪い気持ちだったんだけれども、
これはこの建物を後世に伝えてゆくように
天から指示されたように今は思っているとのこと。
古い建物だから維持も大変なんだけど、
そう考えると身も心も引き締まると仰っていた。
風呂にカランがないのも露天風呂を設置しないのも
昔のままの姿で残したいという
旦那さんの方針なんだって。
自分としては
露天風呂があった方が人を誘いやすいし、
カランは最低限ほしい気がするんだけれど
そんなことを含めて考えても
いい宿だなと思ったよ。
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