気持ちいい風呂でした

 風呂は男女別に内湯＋露天という構成。入浴時間は20：00から21：00の掃除時間を除いてインからアウトまで。この掃除時間を挟み男女の入れ替えがあって両方の風呂に入れる。正直、風呂の造りは似たり寄ったりであまり代わり映えしないけど、入れない風呂があるとどんな造りなのかが気になって、歯の隙間に物が挟まったような気分になるから、この入れ替え方式はとても良い。脱衣所の広さは縦長四畳半くらいで、部屋数の少ない宿とは言え、結構狭いなぁ。特に夕方と朝の人の集中する時間は他人とぶつからないよう気を使わなくてはならず、ちょっと閉口。洗い場は六畳、湯船は三畳くらいで、どちらもさほど広くはないけれど、とても大きいガラス窓で視界が開けているから実際よりも広く感じられるし、湯船も総古代檜造りで香り高く、気持ちの良い入浴が楽しめた。身体を流すときに湯溜りから桶で温泉の湯を汲んで使うのは珍しいね。それ以外にシャワー付きのカランもあり、洗髪の時は重宝した。露天の広さは四畳半くらい、転落防止の柵が目障りだけど渓流が見下ろせ、顔を撫でる川風が心地良かった。湯口がブドウ畑で使っていた杭の再利用というのも、分かりやすい甲州らしさの演出で良いよな。

内湯から溢れたお湯が湯口から露天風呂に流れ込むようになっているのは、捨湯の再利用を連想してしまうので気分的にちょっとイヤかも。循環利用だから仕方ないけれど、強アルカリ性の泉質の割にヌルヌル度が弱く、泉質重視の人だと物足りなく感じるだろう。でも、脱衣所に茶香炉が焚かれていたり、湯上がりに麦茶が用意されている等、細かい気配りが行き届いていて、総合的に非常に良い風呂だと自分は思った。