新潟県大沢山温泉大沢舘
     1999年7月\12000(二人)
     2000年9月\13000(一人)

■第一印象は




























客室からの眺め
この宿へは、車で行くよりも電車で行く方が気分的に盛り上がるんだよなぁ。
越後湯沢で新幹線から在来線の各駅停車に乗り換えて四つ目の駅が最寄の大沢駅。
プラットホームと小さな待合室のほかには何にもない無人駅。
山も斜面を背にして目の前に広がるのは田圃と点在する民家のみ。
列車が出てしまうと、サワサワサワと草を揺らす風の音の中で蛙や虫の声が聞こえる。
自分は市街地で生まれ育ったから、よく分からんけど、故郷ってこんなかんじなのかなぁと思ったりした。
ここから宿まではちょっと離れているんだけど車で迎えに来てくれるから大丈夫。
まあ、歩いても行けない距離ではないけれど、約2K位の坂をえんえんと上ることになるからオススメしない。
山道をぐんぐん上ってカーブを抜けると木造の建物が見えてくる。
板壁に囲まれた外観は入口は寺の山門風で、他は大仰しくはないものの存在感があっていいねぇ。
館内も木の質感や存在感があるし、入口脇の談話室の囲炉裏から漂う炭の燃える匂いもあって山の温泉宿の雰囲気が盛り上がるぞ。
部屋からの眺めは特にどうってことはない山の景色なんだけれど人工物が一切見えないから気持ちが落ち着いてきて、自分は好きだね。
自分の泊まった本館の客室は7.5畳の部屋が多いみたい。踏込みはあるものの設備的にはイマイチかな?せめて洋服を収納するスペースはほしいなぁ。荷物を置く場所もないから、うーん、2人で丁度いい広さになっちゃうんだよなあ。
まあ、館内の何所も含めて掃除は基本的に出来ていたからいいけどね。
■ここんちの風呂はサイコー!
内湯は大きな窓ガラスでそこらの“なんちゃって露天風呂”なんか問題外の開放感があっていいよ〜!
天井を見上げると太い丸太が組んであって山の湯の情緒がたまらないね。
しかしなぁ、自分が泊まった宿の内湯でこんなに風情と開放感を味わえるのは他には白骨/笹屋くらいしか知らないなぁ。
露天は渡り廊下をの先にある。
こちらも木をふんだんに使った造りで雰囲気は最高。いい!イイ!イイ〜!!
造り込まれた庭園じゃない雑草が生えるがままにしてあるのがいいんだろうね。
当然渡り廊下からの眺めもいいんだよ。湯上りにベンチでぼぉ〜っとしていると、なんとも心安らぐ。
内湯もそうなんだけどね、一切の物が人工的でない眺めが素晴らしいんだよ。
湯は無色透明無臭でぱっと見は特徴ないんだけれど、入った途端に肌スベスベ♪
取っ付き易いのに温泉力はスゴイものがあるぞ。正直言えば露天は循環クサイんだけれど、
そんなのここの風呂に関してはどうでもいいこったね。
■メシだ〜
食事は見た目はフツーの旅館料理ってかんじなんだけれどもね、味はなかなかに美味しい。
刺身や蒸し物は後から持ってきてくれるのは心遣いが感じられて親切だよ。
朝は牛乳かトマトかオレンジのジュースを選べるし、地元の車麩の煮物も出てくるから料金から考えたらレベルは高いぞ。
それと、新潟だもんなぁ、米は美味いわ。宿の敷地に名水百選に選ばれた泉があってその水を使い、
カマドに薪をくべて専門の人が炊いているんだそう。それでおこげがちょっとあるんだね。
木のオヒツで出されるのもいいもんだねぇ。
■泊って思うこと



上は夜の渡り廊下
左は飯を炊くカマド

この宿は入口の焼トウモロコシから始まって玄関の水鉢のトマトや果物、餅、薬草茶、トコロテンなんかが無料で振舞われているんだけれど、
使用後の器はすぐに片付けられているし、渡り廊下にある草履もいつ行ってもキチンと揃えられているんだよ。
これは宿の人がマメに館内をチェックしているからなんだろうね。こう言った目立たないところでの気配りが出来ているなんて素晴らしいんじゃないかい。
この宿は首都圏からも近いし、環境もいいのに料金が手頃でかなりいい宿だと思うんだけれど、ひとつだけ困ったさんなことがあったんだ。
ここのご主人が夕食後に談話室で酒を振舞っているんだけれど、座が盛り上がると参加している人達の「ガハハハ!」って大きな笑い声が
客室にまで響いてくるんだよ。部屋で静かに過ごしたい者には迷惑至極。世の中、酒を飲めない人間もいるんだからさぁ、その点は気を使ってほしいよなぁ。
それと酔っ払ったご主人にからまれたなんて噂を聞いたこともあるんだけれど、それってマズクないかい?
飲むのはいいけど呑まれちゃダメだよ。どこを取ってもこんなにいい宿なのに、ほんっと勿体ないよなぁ。

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