オンネトー越しの雌阿寒岳

この宿、イイかイマイチか一言で言うと、イイ!洗面所どころかトイレにさえ石鹸が無いのはかなりイヤだし、部屋のある階は殺風景で寒々として、第一印象は病院みたいだなぁ思ったし、部屋の窓を開けると露天風呂の柵が目の前にどど〜んと見えたりして、最初はなんとも切ない心模様だったけど、よく見れば部屋も廊下もトイレもどこも掃除が行き届いていて清潔で気持ちよく過ごすことができたから最初に「うへぇ」と感じたことが段々どうでもよくなってしまった。HPには7:00〜10:00は掃除のために風呂に入れないと書いてあって「日帰り客の湯銭を優先するために宿泊客が朝風呂に浸かりたい時間に入浴を制限して掃除するなんて、なんなんだ」と思っていた。が、実際は宿泊客でもまず利用する人はほとんどいないであろう4:00〜6:00の間が掃除の時間で宿泊客の朝風呂に配慮がされていて嬉しかった。白濁だった露天の湯が内湯と同じ透明になっているところから考えるにお湯を全部抜いているよう。ブラシで床をゴシゴシ擦る音が長い時間聞こえていたから丁寧に掃除してくれているんだろう、それも誰だって眠っていたい早朝に。自分はこういうのに接すると感激してしまうのだ。宿のおじさんは見た目がちょっと強面だけれど笑顔で接してくれるし、おばさんは日帰り客・宿泊客の区別無く優しい対応をしてくれ、変に馴れ馴れしくもなく、本当に暖かい人柄に心が和む良い宿。全体的には民宿っぽくて正直なところ人を選んで薦めたほうがよいような気もするけれど、仲居さんの至れり尽くせりの接待や匠の技が冴える豪華な料理が無くても全然平気な人なら泊まって損はしないと断言してしまおう。なかでも素晴らしいお湯に接したい人は行くべきだぞ。