新潟県 麒麟山温泉 松仙閣
2001年5月平日¥13000(2人なら¥10000)
■第一印象は | |
建物と客室の眺めをスライドショーにしました 露天から別館を望む |
麒麟山温泉と聞いて、すぐに場所が思い浮かぶ人って地元の方以外にどれだけいるのだろうか。 あまりいないような気がする。 知っていた? えーっと、国道ならR49、JRなら磐越西線沿いで新潟と喜多方の中間あたりかな? そんな麒麟山温泉は阿賀野川の水運で栄えた津川の町から数キロ離れた県道沿いに四軒の宿が川に面して並んでいる。歓楽的な要素は全く無いし車の交通量も少なくて本当に静か。 静かなのはありがたいねぇ。 松仙閣は木造三階建ての本館と渡り廊下で結ばれた料亭を移築したという木造二階建ての別館から成る宿。 開業当初は宿泊も出来る料亭って言ったほうが正しかったみたい。 和風オーベルジュみたいなもんだったんだね。客は著名人ばかりで紹介なしでは敷居を跨ぐことすら難しかったそう。 板壁に囲まれた建物は昭和9年に建てられたんだって。 豪奢な装飾はあまりないんだけれど かえってその簡潔さが風情や風格をより伝えているみたいだよ。そう言えば帳場の中に現役の囲炉裏もあったなぁ。 玄関は埃ひとつないくらい掃き清められているし、ホールには仄かに香が(白檀かな?) 館内何所も手入れも掃除も行き届いていて清潔。 通された客室は「かすみの間」10畳に3畳位の控えの間がついている。こちらも掃除が行き届いていて気持ちいいね。 そして何よりもは、その眺望の素晴らしさ!川に面している壁一面が床から全部窓なのだ。 部屋の中に入った途端「うわぁ〜」と歓声を上げてしまったよ。 幅数百メートルはあろうかという大河が緩やかな蛇行を描きながら おだやかにうねりをあげて流れている。幾つかある中州は鳥のコロニーになっていた。対岸を列車がピィーと汽笛を鳴らして走ってゆく。遠くには残雪を戴いた飯豊山が優しい山容を見せてくれている。なんとも穏やかで優しい眺めだねぇ。 国内で十指に入る規模の大河で中流域これだけ自然が残っている場所って、そうないんじゃないのかな? 絶景だよ、絶景! 長岡で旅館を営んでいた初代が眺めに惚れ込んでこの地に移転してきたという気持ち分かるよ。 夕暮れになると川から霧が湧き上がってくるんだ。そして夜は夜で各宿が川景色をライトアップしてる。 その中をヨタカが鳴きながら飛んでいたりしてなんとも幻想的。 いやぁ〜、ずっと眺めていても飽きなかったよ。なんと滞在中一度もTVをつけなかった。そんなもん見てるのが勿体ないのよ! |
■さて風呂に行こうかな | |
風呂は最新という設備はなかったけれど掃除は行き届いているし、宿の規模から考えたら広さも充分あるよ。 露天もそうなんだけれど、折角川に面しているのに宿との間にある遊歩道から見えないように 低いながらも柵があってちょっと邪魔っぽいかな。ま、湯船の縁に腰掛ければちゃんと川は見えるからね。それほどの問題でもないかな。 湯は循環利用みたいだけれども湯上りはさっぱりして気持ちよかったから、拘りがなければそんなこと問題外じゃないのかなぁ。 カーソルを当てると露天になります |
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■御飯の時間だ |
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この宿は料理が美味しいぞ〜♪ 見た感じ何の変哲もない旅館料理に見えるでしょ、ところがぎっちょんちょん!食感や味のアクセントのつけかたが上手! 冷しゃぶ風サラダはありがちな柚子じゃなくてグレープフルーツ風味のドレッシングだったり、出し巻きも栗やらレーズンの みじん切りが入っていたりして技ありなのだよ。天ぷらも揚げたてではないんだけれど食感がなんともクリスピー! 朝も程好い量だし味噌汁も美味かったよ。 聞けば蒲鉾なんかも自家でつくるんだって。どの料理も奇抜でも斬新でもないけれど基本はビシッっと整っているだろう。 こんなところに料理旅館としての袴持を感じたなぁ。 カーソルを当てると朝食になります |
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■泊って思うこと |
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従業員の対応も控え目ながらも丁寧で感じ良かった。 平日で他の宿泊客が少なかったせいもあるんだろうけれど静かだし、料理も美味しい。 そしてなによりも宿からの眺めがいい。 料金も手頃なのに今一知名度が低いのが本当に不思議。 途中の津川の町も演出されていない昔のままの静かな町並みの風情が残っている。 ひょっとしたらこのあたりだけ時間の流れる速度が違うのかもね。 なんとも心癒された旅でした。 |
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