我まま夕食

 
 この宿は、部屋代と食事代が別立ての料金システムで六つくらいの料理コースが用意されている。メタボが切実に気になるお年頃の自分は、脂っこい物はカロリーオーバーだぁとか、炭水化物は極力控えねばとか自主的な縛りが多く、だからと言って葉っぱオンリーの献立はベジタリアンじゃないんだから寂しいし、と、旅館の料理を呑気に楽しむことが厳しくなっていて。そんな自分に応えてくれる“からきじ”という料理コースがある。
からきじとは津軽弁で「わがまま」の意味。「魚も・肉も・野菜も何でも食べたい!」この食材を使って欲しい!」「「こんな料理を食べたい!」「こんな風に食べたい!」そんなお客様のからきじをいわき荘が実現いたします。
そして、自分の“からきじ”はこんな塩梅(宿に宛てたメールより転載)
川魚、茄子、胡瓜、納豆は苦手なので外してください。カロリー制限中ですので揚げ物はいりません。品数を少なめにして質をアップしていただける と嬉しいです。以上、我儘が多くてすみません。苦手な食材以外は絶対にではありませんので、可能な範囲でご対応いただければと思います。どうぞよろしくお 願いします。
で、実際はどうだったかというと・・
まず、夕食の開始時間は選べる。ただ、選択できる時間が何時から何時までだったかはすっかり記憶が消え去っちゃった(^^ゞゴメンナサイネ
そして料理のコースによって食事場所が変わり、“からきじ”は古民家の建材を再生した食事処で食べる。ここの雰囲気がなかなかによろしくて、都内の小洒落た和食ダイニング風。テーブル席と小上がりのカウンター席があって、自分はカウンター席に通された。席に着くと先ず「本日はようこそお越しくださいました。○○様のご夕食の調理を担当する△△と申します。よろしくお願いします。」というご挨拶から、食事を終えて席を立つと「ありがとうございました」と食事処の出入り口までわざわざお見送りまでしてくれる。こういうの堅苦しくて普段なら正直とてもイヤなんだけど、終始穏やかな津軽訛りで話してくれたのと担当の方の暖かいお人柄のおかげで終始和みモードでの楽しいひと時となった。正確に知りたい情報は標準語で伝えてほしいけれど、それ以外の会話は土地の訛りで話してくれるとその土地が身近になったような気がしてなんか嬉しいね。津軽の四季、温泉情報、今の仕事にやりがいを感じておられる事、料理の合間にいろいろと話してくれ、お腹だけじゃなく心にも滋養がゆきわたる満ち足りた夕食だったなぁ。肝心の料理だって自分で採ってきた山菜や品評会で前沢牛を抑えて優勝した倉石牛の炙り焼きに鮮度の良い刺身と自家製の一夜干し、十三湖の蜆の味噌汁と土地の食材を使ったものばかり。ご飯もかまどで炊いた白飯か味噌の焼きおにぎりから選べ、白飯にはおこげを入れてくれる心遣い。んなもので自分の希望にかなり応えてくれた内容で、もうなにも言うことはない。朝食はレストランで食べる。時間が選べたけれどこちらも具体的な時間の幅を忘れてしまった、ゴメンネ。ここは壁一面がガラスでかなり開放的。予め用意された箱につめられた和風のおかずのほかに、サラダ、ソーセージ、洋風のおかずがバイキング式で食べられて朝食も不満は全くなかったなぁ。