長野県崖ノ湯温泉 薬師平ホテル
    2001年9月中旬 ¥10000(サ別)

■第一印象


カーソルを当てるとフロントになります





カーソルを当てると客室からの眺めになります
塩尻北ICから直線で5キロとアクセスが良い割に、市街地を外れた山の斜面にあるせいだろうか視界が開けているので眺望はいいし、周囲は畑と森に囲まれているので大変静か。雲雀が鳴いてて長閑だねぇ。外観、フロント共、民芸調で純和風の雰囲気が漂い、ホテルという屋号は不似合いだなぁ。控え目の照明のなか、古い箪笥やら民具が置かれていて雰囲気はいいのだけれど、微妙に年季の入った応接セットが何台もキチキチな間隔で設置されているので、実際の床面積はもちろんのこと、全面床から天井までのガラス窓なので広々している筈なのに、なんか窮屈な気がするね。ここに限らず、ロビーにギッシリ応接セットを並べている宿って、たまに見るけれど、並べてある席が全部埋まる事ってそうそう無いと思うのだが、どうなんだろうか?日頃狭い空間で暮らしている自分だったら、席は半分にして空間のゆとりある広がりみたいなものが感じられたほうが嬉しいんだけれどなぁ。ここんちも、窓外の景観の広がりをキチキチな席配列で相殺しているような・・・。ま、あくまでも個人的な感想だけれどね〜。
開けた斜面の立地だから、眼下に塩尻市街と遙か北アルプスの峰々が館内のどこからも見ることが出来て、ここは眺めが自慢の宿なのだ。今回は、台風直撃前日だったので、強烈な勢いで流れる雲の間からしか、北アルプス一望の景色は見られなかったのは、ちょっと心残りだなぁ。最低料金での宿泊だったので、部屋は旧館の一番奥まった場所。8畳+踏込み、2畳ほどの広縁といった間取り。正直、それなりに草臥れ気味ではあったけれど、掃除は、まぁ、それなりに出来ているから、数時間で慣れちゃったりして気にはならないなぁ。ただ、部屋にトイレが無いのは仕方ないにしろ、一番近いのがフロント横のトイレなものだから、部屋から20m位の距離を移動しにゃあならんのよ、夜中に“訪れがあった時”、館内の照明が落ちた館内を歩くことを考えると、オヤジの自分とておっかないし、下着姿のまま廊下を大移動する訳にもいかないから、とても億劫だよなぁ。それに、ゲリピーだったらダッシュしないと間に合わないかもしれんしって、これは考えすぎだが、いずれにしろ困った造りだ。とは言え、新館はトイレが完備されているそうだから、そっちへ泊まれば全く問題無いんだろうけれど。
■開放感はある温泉


カーソルを当てると露天風呂になります
さて、肝心の風呂は、内湯の浴槽は12畳位はあり、結構でけぇ〜。窓が壁一面、凄く大きな一枚ガラスなので開放感はバツグン。ただ、浴槽の一片にジェットバスの装置があり、作動はしているんだけど水流の勢いが弱すぎて機能を果していないのと,カランのシャワーも複数を同時に使うと水勢が全くないのはちょっとね。うらぶれ気味で残念でしたなぁ。
露天風呂の浴槽は4畳位の縁に木を回した造りで、内湯が広い分、余計小さく感じてしまうけど、ここからも北アルプスが一望出来るらしいし、夜は塩尻市街の夜景を眺めるから、気分良い入浴が楽しめるぞ。湯は、やや緑がかった透明な色で強い匂いはないあっさりとした湯味で、癖の無い誰でも抵抗感を感じずに入れる親しみやすいタイプ。
ただ、脱衣場の扇風機に朧コンブ状に固まった埃があったのは、どうもね、湯上りに使う器具なんだから、神経質なくらい気を使ってちょんまげネ。←こんな言い方すると歳がバレルかもしれんなぁ・・・。
■メシ旨し!

食事は、新潟の合掌造りの古民家を移築した食堂で食べる。最低料金での宿泊だったけど、茄子と白身魚の湯葉包み、海老真丈の変わり揚げ等の技ありの料理を数回に分けて運んでくれる。手打ち蕎麦はコシがあって、ベリグー。味自体も良くて、この料金で考えると満足度はなかなかですぞ。朝は、焼き魚の切り身が大きいのと、大好きなダシ巻卵が出てきて嬉しかったなぁ。不本意ながらも御飯を三杯もお代わりしてしまったよ。
他の席の配膳で自分の脇を通る時に、従業員の運ぶ料理をチラッと横目で見たんだけれど、宿泊料金が高くなると、器にも凝った料理が、山盛り出てくるみたいだよ。
料理はいい意味で、意外だったね〜。ラッキー♪

左はスライドショーです
■泊まって思うこと

客室の窓はアルミサッシなんだけれど建て付けが悪くて一度開けるととその場所から動かなくなってしまって困ったぞ。無理に動かして壊してしまったみたいな、自分に原因が無い限り、その状態で放っておくのだけれど、折しも台風が翌日は信州を直撃という状況で、突然に土砂降りの雨が吹き込んできたりするので、マジ、焦ったよ。腕の力フルパワーで「ふんぐっぅ〜!」と気合を入れてようやく閉まるというのは、緊急時の安全上は問題無しなの?先に書いたけれど、風呂も設備も完調とは程遠い辛うじて動いている状態だったしさあ、ここんちは、メンテナンスという概念が、普通とは違う感覚で存在しているんだなぁと感じるところが幾つかあるんだけれど、それは考えすぎか?どうだろうか?だってさ〜、日頃からちょっとチェックすれば、初期の段階で解決出来そうな箇所ばかりなんだから、尚更に“???”な気持ちが募るよな。従業員の対応も良いほうだし、晴れていれば眺めもとてもイイそうだし、料理も美味しいくて、コストパフォーマンスの高い宿の筈なんだけれどねぇ・・・。なんか、超勿体無くないかえ?なにより、ロケーションもそうだし、風情ある合掌造りの建物とか、他所には無い“売り”になる素晴しいものが沢山あるのに、全体的に“これは!”と言う印象が薄くて、その点はほんっと惜しい気がするけど、ここらへんは、個々の感じ方の違いによるものなのかもしれんね。
でも、このエリアの温泉って市街地にあるところが多いから、静かな温泉宿に泊まりたい人は、この宿を候補に考えてもいいのでは?とも、思ったりもするが・・・。
そうだ!、精算の時、請求書を見て気付いたのだけど、宿代の内訳を見たらサービス料が別請求になっていた。サービス料込みが当然と思い込んで確認をしなかった自分も悪いんだけど、大体の宿では税サ込みか別か伝えてくれるのに、予約の段階でその事について何も伝えてくれないのは少し不親切かもね。同行者に一泊一万円+税金って言ったのに、サービス料がさらに千円加算されて、言いづらかったよぉ。他の宿でもそうだけど、予約を入れる時は、皆さんも気をつけて自分から確認をしておいたほうがいいぞ〜。