宮城県青根温泉 湯元不忘閣
1999年5月平日 ¥12000

■第一印象は
今の青根温泉は開けた山の斜面に数軒の宿がある
こじんまりした温泉地って印象なんだけど
開湯460年っていうんだから歴史がある所なんだね。
建物は全体的に古い造り、
きちんと手入れはされているし品が良いので
“いい味”を出しているんじゃないかねぇ。
玄関を中心として左右に建物が広がっているんだけど
写真手前側は明治時代の建物なんだって!

左上二つの画像にカーソルを当ててみてね



ユニオンビール”とか、おそらく現在は存在しない
会社銘のはいった鏡とかが何気にあったりして
意図されていないレトロな物が大好きな自分は、
もう頭クラクラでしたなぁ。
「ああ、がめて来ちゃいたい」「ダメダメ、そりゃ犯罪じゃ」
頭の中でそんな葛藤をしていたら疲れちゃったよ。
■先ずはひとっ風呂
ここの宿は残念なことに露天はないんだけれども三ヶ所風呂があるんだ。
ひとつは天然岩風呂らしいんだけど
女性専用なので実態は分からんかった。
せめて時間による男女交代制にしてほしいよ、
性別によって入れない風呂があるスタイルは自分は好かんぞ。
そして以前あった殿様専用の風呂と同じ場所にあるという御殿湯。
造りはどうってことないんだけどね
「伊達さまと同じ場所にある風呂に入っているんだ」
と考えたらちょっと嬉しくなってしまう小市民なのでした♪
でも、やっぱりここの宿は大湯でしょうなぁ。
460年前に造られた当時のままという石組みの浴槽は
角が丸くなっていて、その過ごしてきた時間を
物語っているようにも思える。
一辺が4X15mくらいあってとても広いんだけれど
共同浴場として開放されているから日中は芋の子洗い状態。
マイシャンプーやマイヘチマ入りの籠を持って来ている人が
多いことから想像するに近在の人たちなんだろうね。
そのうえ男女の境の仕切りが低いので立ち上がると
ビミョーに向こうが見えてしまうんだよ。
残念だけれそもこれじゃ写真は撮れないよなぁ。
湯自体は癖のない単純泉。
頭の良くなる温泉だそうで自分は沢山浸かっていたかったんだけれど
湯温が高すぎて頭が良くなる前に脳が融けてしまいそうだったから
すぐ出てきてしまったのでその効果の程は分からん。
■御飯の時間だ
夕食は一度に全部持ってきちゃうんだけど
彩はキレイだし、味もなかなか。
蛸のやわらか煮は絶品でしたなぁ。
五月だったから人差し指大のチマキも添えられていたよ。
十種類くらいの山菜が出てきたんだけれど
何て言う名前なのか分からないよ。
説明してくれるといいのになぁ。
味はともかく自分には
全部同じような葉っぱにしか見えんかったよ。
ロビーに料理の献立が出ていたんだけれどもね、
「春風駘蕩」ってタイトルがつけられていたなぁ。
朝は前日に希望すれば温泉粥も出してくれるみたい。
■泊まってみて思うこと
不忘閣は青根の大湯元で殿様から
永代湯守を仰せつかったという名家なんだ。
ひょっとしたら高飛車な対応されっかなぁ?
なんて心配してたんだけど、そんなことは全くなかった。
ものすごく愛想がいいわけではなかったけど、
適度な距離をおいた対応でありがたかったよ。
妙にフレンドリーだったり、あんまりベッタリってのは困るからね。
この宿は伊達藩の御殿湯だったんだって、
敷地の真ん中に青根御殿っていう木造の立派な建物が
あるんだけどね、そこに殿様が泊まったんだそうだよ。
今は宿泊できないんだけどちょっと前、(と言っても20年位前)までは
一般客室として使っていたんだって。
しかし歴史があるところは時間のスパンも小市民とは違うんだねぇ。
20年がちょっと昔って感覚なんだ。ふ〜ん。
そんな御殿で現在では宿に伝わる絵や書などの
様々な宝物を陳列して解説しながら見せてくれる。
政宗の書とか狩野なんたらの日本画の掛け軸とか
無学な自分にゃ値段の高い物なんだろうなぁくらいの
感慨しか湧かないんだがね。
よくTV番組で放送されている成金のお宅拝見の自慢みたいな
イヤミっぽさが感じさせずに、客に淡々とその説明をしてしまうのは
由緒の成せる技なんでしょうなぁ。
どこをとっても平均点以上のレベルだと感じるので
これで露天風呂があればなぁと本当に思ってしまうよ。
だけど静かだし、お湯はいいし、食事も美味しいから
ゆっくりと過ごすにはいい宿だぞ。

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